NC旋盤でアルミニウムけん玉作ってみた
「けん玉」といえば、皆さん子供の頃一度は遊んだことがあるのではないでしょうか?
左右の皿や棒に玉がカチッとはまる瞬間…!たまらないですよね。
通常は木でできているけん玉ですが、今回はアルミニウムを材料として、NC旋盤で制作してみたのでご紹介したいと思います!
けん玉の構造
はじめに、一般的なけん玉の構造についてご説明します。
写真にあるように、けん玉は「けん」、「皿胴」、「玉」で構成されています。けんには玉を受けるための「けん先」や玉を乗せる「中皿」、皿胴には「大皿」と「小皿」があり、玉にはけん先がはまる大きさの穴が空いています。
今回は、糸以外のすべてのパーツを高松機械のNC旋盤で加工しました。
NC旋盤によるけん玉加工
一般的な旋盤加工
旋盤加工とは、回転する工作物に刃物を押し当てて、不要な部分をそぎ落としていく加工のことを言います。一般的に丸棒状のものを材料とし、円柱や円筒といった形状の加工物を削り出すことを得意としています。
典型的な例で言うと、写真のような段付きワークなどが分かりやすいかと思います。
NC旋盤ではより幅広い加工が可能に
NC旋盤は、手動で操作する汎用旋盤とは異なり、機械にNCプログラムを入力して操作します。数値制御で細かな寸法管理ができるため、円柱のように刃物をまっすぐ動かして削る加工以外にも、けん玉のような球面や曲面の加工も比較的容易に行えます。
また、けん玉のように複数のパーツを組み合わせる加工物の場合、それぞれの加工部分の精度がとても重要になってきます。NC旋盤を使うことで、寸法の狂いのない加工ができ、それぞれのパーツがぴったりとはまる加工ができるわけですね。
とはいえ、NC旋盤ならどんな条件でも良い加工物が得られるというわけではありません。機械の精度、そして最適な切削条件や加工順序で加工するからこそ、複雑な形状にも対応できるのです。
NC旋盤でアルミニウムけん玉を削ってみた!
上述のように切削条件や段取りを考慮し、アルミニウムけん玉専用のプログラムを作成。当社のNC旋盤で切削を行いました。
加工条件等は次の通りです。
- 寸法:日本けん玉協会推奨の競技用けん玉のサイズをほぼ再現
- 材質:アルミニウム A5052材
- 使用機種:XL-100(XT-6の前モデル)
実際に削り出したけん玉がこちら!
金属特有の光沢や挽き目がなんとも美しいですね!
けん玉ということで、遊ぶ時に各パーツがぶつかり合うことを想定し、硬度を持たせつつアルミニウムの質感が活かせるアルマイト処理を施しました。
写真はコーポレートカラーのオレンジ色に仕上げたものです。ツヤ感が更に際立っています。
穴加工も絶妙な仕上がりになっています。
※今回制作したけん玉はあくまでオブジェとして作成しています。大変重いので、実際に遊ぶ際には、ぶつけたり足に落としたりしないよう十分に注意する必要があります。
NC旋盤って面白い!
今回は、普段高松機械で手掛けている加工とは一味違った、球面・曲面加工によるけん玉の制作事例をご紹介しました。
NC旋盤加工の面白さを少しでも多くの方に知っていただければ幸いです。
これからも、NC旋盤を使った遊びゴコロをくすぐる逸品をお届けしていきます!