コラム

作ってみた
2022.02.08

旋盤で四輪駆動模型のホイールを作ってみた

旋盤で四輪駆動模型のホイールを作ってみた

今回は「作ってみた」シリーズ第二弾です!このコーナーでは「旋盤で作れるもの」について、実際の加工の様子とともにご紹介しています。

子供から大人まで、幅広い世代に親しまれている自動車模型。最近ではおうち時間の増加に伴い、再びブームが到来しているとか。

今回は、自動車模型の中でも根強い人気を誇る四輪駆動模型用のホイールを、旋盤で作ってみました!

加工に使用した機械の特長とあわせてご紹介していきますので、ぜひチェックしてみてください!

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加工ワーク

四輪駆動車のイメージ

四輪駆動模型のホイールに見立てたワークを加工します。高い真円度高精度な穴明けが加工のポイントになります。

加工に使用した機械

加工に使用したXV-3

加工に使用した製品は「XV-3」。倒立形の3スピンドル機で、1台に3台分の機能を搭載した工程集約のニューモデルです。

今回のようなホイール形状のワークをXV-3で加工することには、次のようなメリットがあります。

旋削+ミーリングを一台で加工

XV-3はTAKAMAZのくし型旋盤の中で唯一、ミーリング機能を搭載したモデルです。

通常、旋盤で旋削→他の機械でミーリングといった段取替え作業が必要ですが、XV-3では1台で完品加工が行えます。

高速回転が可能な主軸

XV-3は、TAKAMAZ製品の中でも最高クラスとなる【主軸回転速度:Max. 10,000 min-1】を実現しています。

主軸の回転速度が足りない機械では、切削面に「むしれ」が生じてしまい、加工精度が悪くなってしまいます。

その点XV-3では、今回のような小径ワークにおいても適切な切削条件で切削を行うことが可能です。

同軸度の高い加工が可能

工程間でワークの掴み直しが発生すると、回転軸がずれてしまう問題があります。

XV-3では、同軸度が重要な部分同一工程内で加工し、他の部分は違う工程に割り当てる、といった工程の組み方が可能です。

>>XV-3の詳細情報はこちら

四輪駆動模型用のホイールを作ってみた!

ここからは、ホイールワークができるまでの過程を順番に説明していきます。動画で見ると分かりやすいので、あわせてご覧ください。

加工条件

  • 寸法:Φ22mm
  • 材質:真鍮
  • 使用機種:XV-3

※今回は、展示会での実演加工を想定し、切削のしやすさを重視した上で、素材に「真鍮」を選びました。実際の走行を目的としたものではありません。

加工工程

XV-3の特長である3スピンドルの構造を活かし、3つの主軸それぞれに異なる工程を割り当て、加工を行いました。

 

【1工程】

◆動画:21秒~1分15秒

外径加工、ホイール内側の端面溝入れ加工を行います。

 

【2工程】

◆動画:1分28秒~2分23秒

ワークを反転させ、ホイール外側の端面加工外径加工の次に、内径加工、ミーリングでの穴明け加工を行います。

ポイント

XV-3の場合、ワークの反転は搬送装置が担うため、サイクルタイムの短縮やトラブルの低減に効果を発揮します。

 

【3工程】

◆動画:2分44秒~3分35秒

再度ワークを反転させ、外径加工端面溝加工内径面取り加工を行います。

出来栄えはいかに

上記の方法で加工を行い、出来上がったものがこちら!!

加工したホイールワークを上から見た写真

加工したホイールワークを横から見た写真
真鍮特有の控えめな輝きで、重厚感のある仕上がりになっていますね。

タイヤを装着したものがこちら↓

タイヤを装着したホイールワーク

せっかくなので、車体にも取り付けてみました!

漂う高級感…!

タイヤを取り付けた四駆模型の車体の前輪

タイヤを取り付けた車体の後輪

今回のホイールワークは、昨年の「メカトロテックジャパン2021」の会場でも実演加工を行いました。出来上がったワークを記念に持ち帰る方もいらっしゃり、関心の高さが伺えました。

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旋盤でワンランク上のホビーを

タイヤを取り付けたホイールワークを積み上げた写真

今回は「旋盤で作れるもの」として、四輪駆動模型用のホイールの加工事例をご紹介しました。

加工のしやすさから素材に真鍮を選定しましたが、旋盤の精密加工技術をもってすれば、究極の一台を完成させることも夢ではないかも…?

ちょっと贅沢な大人のホビーを、旋盤で楽しんでみてはいかがでしょうか。

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