カーボンニュートラルに貢献!性能向上と環境対応を両立した新製品を紹介
ものづくりの現場で「カーボンニュートラル」「省エネルギー」「DX」への取り組みが加速する今日。
工作機械に関しては、お客様が使用される生産現場はもちろんのこと、ライフサイクル全体での環境配慮が不可欠となっています。
そうした動きの中で、高松機械工業では、機能向上と環境対応を両立した新製品「XTS-6(6インチ)」・「XWG-3(3・4インチ)」を開発しました。
本記事では、JIMTOF2022でもお披露目した2機種の特長について、カーボンニュートラルへの貢献という観点を踏まえて詳しくご紹介します!
環境に配慮した製品開発のあゆみ
高松機械工業では、1990年頃から環境に配慮したCNC旋盤の開発に取り組んできました。
小形化から始まり、2000年以降は潤滑油・油圧レス旋盤の開発へとテーマを広げ、近年では生産現場のスペース効率を向上した省エネ・省スペースな製品の開発をさらに加速させてきました。
そして今回新たに、カーボンニュートラルをはじめDX・IoTなど世の中のニーズに対応する新製品「XTS-6」・「XWG-3」を開発しました。
省エネ・カーボンニュートラルに対応した新機種の特長
ここからは、従来機よりも小形化、高性能化を実現しつつ環境にも配慮した2機種の特長をご紹介します。
小形化・省スペースの追求【省資源】
1スピンドルでコンパクトなXシリーズの最新モデルである「XTS-6」は、従来機より機械幅-45mmの1,105mmを達成。
同じ構造の6インチ旋盤では業界最小クラスとなるフロアスペースを実現しました。
主軸芯高さも960mmと低重心構造にすることで、加工精度の安定化のほか、作業負担も削減します。
小形化にこだわった並行2スピンドル機の「XWG-3」は、機械幅を極小化させ、2.75㎡に収まるフロアスペースを実現。
1台分の設置面積で、単軸機2台分に匹敵する生産能力を発揮します。
チップコンベアやミストコレクタなどの周辺装置も1台分に集約できるため、省エネルギーにも繋がります。
動作の高速化によるサイクルタイム短縮【高効率化】
XTS-6ではスライド動作を従来機より高速化。X軸:50%、Z軸:33%の早送り速度向上を達成しました。
主軸の加減速時間も短縮され、加速時間は35%アップしています。
これにより、切削時間・非切削時間の両方が大幅に短縮可能です。
XWG-3は、スライド早送り速度を33%向上。加工に着手するまでの時間を短縮できます。
両機種とも、動作の高速化によるサイクルタイム短縮で、ワーク1個あたりの生産に要する消費電力量を削減します。
ローダの省エネ化【消費エネルギー低減】
従来のFローダ(XTS-6)に加え、Mローダ(XWG-3)においても、電源回生方式を採用。
モータの減速時に発生する回生エネルギーを電源に戻し、他の装置の電源として再利用できるため、省エネに貢献します。
Fローダの速度最適化機能では、サイクルタイムに影響のない機外動作を必要十分な速度に調整し、消費電力量削減に繋がります。
また駆動部のラックやピニオンといった消耗品の長寿命化も期待できます。
作業性・保全性の向上【生産効率向上】
XWG-3では、操作パネルを大型化。19インチのタッチパネルを採用し、視認性・操作性ともにアップさせました。
XTS-6では、ドア下部に切りくずが滞留するのを防ぐための切削回路を増設し、機械清掃時の作業負担を軽減します。
高松機械工業が目指すカーボンニュートラル
上記でご紹介してきた、旋盤の小形化や消費エネルギーの低減、生産効率の向上といった特徴の一つひとつが温室効果ガスの低減に繋がり、カーボンニュートラルを達成するというのが高松機械工業の目指すカーボンニュートラルの全体像です。
「XTS-6」や「XWG-3」を生産工程に取り入れることで、生産活動全体におけるカーボンニュートラルへの貢献が期待できます。
まとめ:環境への優しさが標準仕様
今回は、カーボンニュートラルに貢献する、新開発のCNC旋盤「XTS-6」・「XWG-3」についてご紹介しました。
徹底した装置の小形化や、デジタル技術を活用した生産効率のアップなどにより、機能向上と環境対策の両立を叶えたモデルです。
研究開発段階の技術も含め、高松機械工業では引き続き環境に配慮した製品開発への取り組みを進めてまいります。