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2021.12.06

EMO MILANO 2021 出展レポート

EMO MILANO 2021

6年に一度の開催が恒例となったEMO MILANO(ミラノ)に出展いたしました。

今年はコロナ禍での開催ということで、出展・来場を見送られた方々も多いことと思います。そこで、今回のEMO MILANO 2021開催の模様を、当社ブースの様子とともにお伝えします。

EMO MILANOとは?

EMO(エモ)は、世界四大工作機械見本市の一つです。(残り3つは、IMTS:シカゴ、CIMT:北京、JIMTOF:東京

西暦奇数年に開かれ、ドイツのハノーバー2回、イタリアのミラノ1回の順で開催されています。(2017年・2019年:ハノーバー、2021年:ミラノ)

EMOという名前について、Exposition Mondiale de la Machine-Outil (Machine Tool World Exposition:工作機械の世界見本市)の略で、切削・成形といった金属加工技術を中心に、計測やITといった幅広い技術が展示されます。

世界最大級の工作機械見本市とあって、最先端の技術を求めて各国の業界関係者が一堂に会します。

今回のEMO MILANO 2021では、約91か国から6万人以上の方が来場されました。

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コロナ禍で満を持しての開催

現在はハノーバー/ミラノで開催されているEMOですが、以前はパリで開催されていました。

その頃は12年に一度という長期スパンで開催されていたこともあり、各社相当な思い入れを持って展示会に臨んでいたと言います。しかし実はこのミラノでの開催は、かなりの不運続き…前々回2009年開催時は、リーマンショックに見舞われ、総来場者数が12万人規模と縮小。さらに今回のEMOミラノは、コロナ禍での行動制限の影響が響き、6万人という結果に終わりました。

それでも今年度における世界一の規模で開催され、23か国から700以上もの企業が出展しました。

EMO MILANO 2021の会場

会場の様子

今回新たな取り組みとして、ホール5にプレゼンコーナーが設置されました。自社ブース内でのプレゼンテーションを制限された企業が、タイムスケジュールに沿って製品PRを行い、その模様は全世界の視聴者に配信されました。

EMO MILANO 2021のプレゼンコーナー

今回の会場となるFiera Milanoには、約20の建屋がありますが、今回は5つのホールがEMO会場として使われました。当社は、地下鉄Rho Fiera Milano駅からメイン会場ゲートに隣接したホール2にブースを構えました。

各会場内の周辺通路は、かなり広くレイアウトされており、ポツリポツリと出展を見合わせたのであろう企業のスペースが休憩場所として利用されていました。

初日からスローペースで幕を開けましたが、目立ったのは、見学に来ていた学生たち。直接のビジネスには繋がりませんが、将来を担ってくれる若者達に期待したいところです。当社ブースにはヨーロッパ各国のディーラ様がご訪問くださり、活発な情報交換が行われました。

加速するデジタル化

イタリアといえば、多くの観光スポットで有名ですが、一方で工業国としてもその地位を築き上げています。GDPは世界第8位で、主に機械、繊維、自動車、鉄鋼といった製造業が経済成長の原動力になっています。

各社の展示傾向から推測すると、日本同様に省人化・自動化のニーズはますます色濃くなっている様子で、加工機本体にロボット搬送を組み合わせた事例出展がいくつもありました。

AGV(無人搬送車)インライン計測装置と連動したシステムなども見受けられましたが、それら最先端技術の中でも特に目覚ましい進化を感じさせたのが、デジタル技術。生産設備全体のあらゆる箇所を見える化することで、稼動状況はもとより、基幹部品の最適な動作環境をチューニングしてくれる制御技術が、来場者の目を引いていました。

当社のCNC旋盤にも、稼働時の経時熱変位を自動補正するシステムや稼働状況を遠隔で管理するシステムが搭載可能で、好評をいただいています。

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テーマは認知度向上

EMO MILANO 2021での高松機械のブース

今回、当社のブースでは、次の4機種を展示しました。

  • ワーク(加工物)のローディングタイムが、約2秒という超高速受渡を実現した、2スピンドルCNC旋盤【XW-30 PLUS
  • 同じく2スピンドル仕様で、大径加工物に対応する【XW-130
  • 昨年発表した8インチクラスの複合加工機【XT-8MY
  • 主力製品の【XT-6】コンパクトローダ仕様

※XW-30 PLUSのモデルチェンジ機はXWG-3となります。

いずれの出展機も、当社の特徴である自動化装置【搬送ローダ】を搭載しています。小物部品加工の生産性においては、他の多関節ロボットに比べると圧倒的な速さでワーク(加工物)の脱着ができることもあって、高い評価をいただいています。

今回のEMO MILANO 2021においても、XT-6を中心に多くのご相談をいただき、導入を前向きに検討していただけるお客様が数多くいらっしゃいました。

コロナ禍で待望のリアル開催の展示会だったこともあり、多くの方にメイドインジャパンの製品を実機でご紹介できたことが、何よりの収穫でした。

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まとめ

当社は、欧州ではTME(TAKAMAZ MACHINERY EUROPE GmbH)としてドイツに拠点を置いています。

各地域の販売サービスは各ディーラ様に委ねていますが、各社とも高い技術力を保持されており、定期的に当社営業員との情報交換やサービスノウハウの共有も行っています。

そうすることで、より高いサポート体制の構築に努めていただいています。

欧州での高松製品のシェアはまだ高くありませんが、これからも欧州ユーザのニーズに合った新製品開発とサポート体制を継続して進めてまいります。

編集後記

イタリアといえばピノキオ!日本でもピノキオにまつわる映画が公開されていますね。

他にも街のいたるところに芸術が息づいているイタリア。コロナウイルスが収束し、海外へ自由な渡航ができるようになった日には、観光も兼ねて訪れてみてはいかがでしょうか。